開発者は、パリティビット代表取締役で、自身も馬主である薗部博之である。生産、育成、調教、出走と実際さながらに体験でき、パスワードを持ち寄ることにより他者とのレースも可能にする「ブリーダーズカップ」も楽しめる。また、競馬サークル内でもこのゲームは人気で、「調整ルーム」にこれとゲーム機を持ち込んで遊ぶ騎手がいるというほどである(雑誌『サラブレ』での薗部と武豊の対談において、武が「調整ルームでダビスタやっているの、確かにいますね」と証言している)。また、最近ではこのゲームをやって、騎手を志す者もいるといわれている。
全作品で繁殖牝馬は仮名、競走馬もIIIまでは全てが仮名、騎手も96を除く近作までは仮名であった。しかしこれらのほとんどはモデルとなる馬・人物が存在し、雑誌などで紹介されている。ちなみに、まだ競走馬も仮名の時に、産経大阪杯勝ちのホワイトストーンをモデルにしたと思われる、「シルバーストーン」という馬がゲーム中に登場していたが、後の2006年、「シルバーストーン」の名前の馬が実際に中央競馬にデビューした、という珍事もある。また競馬施行団体もゲーム中では「SRA」という架空の名称になっているが、これはSonobe Racing Associationの略ではないかといわれている。
また、全ての登場騎手に対して一定の条件が与えられていて、出走するレースでその条件を満たすと馬のスタミナ、気性、勝負根性のどれかにプラスの影響がでる。
このゲームの攻略法は、初期ではある程度の指針が決まっていて、それに沿った配合を行い、レースプログラムの傾向をつかめば最強馬を量産できたのだが、徐々に配合理論もレースプログラムも複雑化し、現在では決め手となる攻略法がほとんどないゲームとなっている(逆にいえば、どの配合理論をとっても一定のレベルの強い馬を作ることはできるが、ブリーダーズカップの公式大会の上位を争えるレベルの馬はつくるにはある程度の研究が必要となる)。特に、前の作品で通用した生産法は次の作品ではそのまま、もしくは全く使用できないようになっているという傾向がある。
またこのゲームでは逆に、通常は省みられることすらほとんどない「最弱馬を作る」という試みが『週刊ファミ通』誌上で須田鷹雄らによって大々的に行われたことも特筆すべきであり(しかもその模様は「もうひとつのダビスタワールド」(アスペクト)として書籍化されている)、全盛期の本ゲームの勢いを物語るエピソードの一つとなっている。
初期の作品では、馬はプレイヤー自ら調教しなければならなかったが、『ダービースタリオンIII』よりおまかせ調教が可能となり、より気軽に楽しめるゲームとなった。
開発者のこだわりからか、地方競馬で行われているダートグレード競走や、障害競走、一部を除く国際競走は初代FC版から一貫して収録されておらず、また1開催4日制・1日9レース制も維持されているが、その点に関しては賛否両論が分かれている。
同世代の他の競馬育成ゲーム(ウイニングポストやクラシックロード)がパソコンゲームからスタートしたのに対して、本作のみはファミコンからスタートしているという特徴を持つ。そのため他のゲームとは根本的に異なる思想によって作られている。例えば他のゲームではプレイヤー自身の馬や厩舎、牧場の他に、全ての馬や厩舎や馬主や牧場が同時に存在する箱庭的なヴァーチャル空間を形成していたのに対して、本作の場合は存在するのはプレイヤーの馬や厩舎のみで他の馬はレースごとに個別に登場するだけという違いがある。
その結果、本作は非常に広い範囲のファンに受け入れやすいわかりやすさを持つ事となり、またプレイヤー自身の馬の育成のみに単純化したシステムが最強馬育成と他のプレイヤーとの対戦といった方向性においてゲームユーザーの指向とうまく重なる事になった。この点が本作が他のゲームと大きく差を付けて成功する要因となったが、反面発展性に欠けるために寿命を限定する要因になったともいう事ができる。
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