当時のファミリーコンピュータ用ソフトとしては、ゴシックホラーを原調にしたリアルなグラフィックと、ハイセンスな音楽が組み合わさって独自の世界観を生み出した。製作スタッフは数多くのホラー映画を見て作品づくりの参考にしたという。ゲームバランスは秀逸であり、初心者から上級者まで幅広くプレイできる内容となっている。
ファミリーコンピュータ用のほかにMSX2版、アーケード版、スーパーファミコン版、X68000版等で同名の作品があるが、それぞれ内容は異なる。「悪魔城ドラキュラ」が単独の作品名称として用いられる場合、最初に発売されたディスクシステム版のことを指していることが多い。
本作は1986年のファミマガゲーム大賞においてこの年に発売された全120タイトルの中で「ゼルダの伝説」、「ドラゴンクエスト」に次いで第3位を受賞している。また、山下絹代が手掛けたサウンドは現在でもアレンジ版がリリースされるなど根強い人気を得ている。
ディスクシステムが衰退したため、1993年に『もえろツインビー』、『バイオミラクルぼくってウパ』と同時期にイージーモードを追加したROMカセット版が発売された。
舞台は中世ヨーロッパにある平和な小国トランシルバニア。この国には「魔王ドラキュラは百年に一度、キリストの力が弱まる頃に、邪悪な人間の祈りによって復活し、復活のたびに力を増していく」という伝説がある。
ドラキュラは過去に一度復活したが、その時は英雄クリストファー・ベルモンドによって倒された。しかし、それから100年が過ぎた頃、邪教徒がドラキュラ伯爵の亡骸に人間の生き血をそそぐ黒ミサの儀式を行い、ドラキュラ伯爵を復活させてしまった。復活したドラキュラを倒すため、ベルモンド一族の青年シモンが、父ゆずりの不思議な力を秘めたムチを手に、一人ドラキュラ城へ乗り込む。
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